就職や転勤などに際し、国民年金から新しい会社の厚生年金に入る場合も多いかと思います。
しかし、「今まで加入していた国民年金の手続きはどうすればいいの?」「厚生年金も両方払う必要があるの?」と疑問に思いますよね。
立場が変われば、年金の仕組みも変わってきます。そして、立場が変わるたびに、しっかりとした手続きが必要となります。
今回は、国民年金と厚生年金の違いを説明しながら、脱退手続きの方法や、重複して支払ってしまった場合の対処法についてお伝えします。
国民年金と厚生年金は両方払う必要はある?
まず、「年金」とは何のことでしょうか?
「老齢年金」、「遺族年金」、「障害年金」、これらの3つを合わせて「年金」と呼びます。以下に3つを端的に説明します。
「老齢年金」・・・年金加入者が(基本的には)65歳以降の老後に支払われるもの
「遺族年金」・・・年金加入者が死亡したときに残された家族に支払われるもの
「障害年金」・・・年金加入者が事故や病気で障害を負ったときに支払われるもの
よく「60歳よりも、65歳になった時に年金をもらった方が多くもらえる。」という話を聞きませんか?それは、「老齢年金」のことを指しています。
ですから、「年金」と言えど、「老後のための年金だけではない」ということを知っておきましょう。
そして、「年金」には、加入の仕方が3種類あります。
それぞれ、「国民年金」、「厚生年金」、「共済年金」と呼ばれています。以下に3つを端的に説明します。
「国民年金」・・・個人事業を行っている自営業者が加入する年金のこと(「基礎年金」と言われたりもします)
「厚生年金」・・・会社の役員や従業員などのサラリーマンが加入する年金のこと
「共済年金」・・・公務員が加入する年金のこと
この3種類の加入の仕方によって、上記で説明した「老齢年金」、「遺族年金」、「障害年金」をもらえる金額が変わってきます。
重要なのは、「厚生年金」です。「厚生年金」は「国民年金」より支払う金額が高いです。
「厚生年金」は、「国民年金部分 + 報酬比例部分」から成り立っているからです。
つまり、「厚生年金」に加入している = 国民年金を支払い + 給料に応じた支払い、をしていることになります。
そして、「厚生年金」を支払っている人は、すべて国民年金だけの人よりもたくさんの金額がもらえるようになります。
したがって、厚生年金は、国民年金分も払っているので、国民年金と厚生年金は両方払う必要はありません。
支払う金額やもらえる金額が異なりますので、細かい事情がある方は、年金事務所や市役所など専門機関に相談することをオススメします。
余談ですが、市役所などで「第○号被保険者」などの言葉は聞いたことありませんか?
「第一号被保険者」・・・自営業者のように国民年金だけを支払っている人
「第二号被保険者」・・・サラリーマンや会社員のように「厚生年金」を支払っている人
「第三号被保険者」・・・サラリーマンや公務員の妻や子で扶養に入っている人
のことを指しています。覚えなくても、頭の片隅においておいてください(笑)
またサラリーマンや公務員の妻やお子さんは「第三号被保険者」と呼ばれ、1円も支払っていなくても、「国民年金」に加入しているのと同じ保険料を支払ったことになります。
だから、専業主婦の人やニートのお子さんは、非常に得をしているんです!(笑)
厚生年金に加入したら国民年金の脱退手続きは必要?
厚生年金に加入したら国民年金の脱退手続きは必要ありません。
厚生年金の加入手続き(会社が行うこと)をすると、国民年金は自動で脱退となります。
自分がすることは、厚生年金の加入のための書類を会社に提出することです。
ただし、厚生年金加入後にも、国民年金の口座登録が解除されるまで、数回国民年金分が引き落とされてしまうことがあります。
次の章でも書きますが、厚生年金と重複する分は、戻ってきます。送付される還付請求書を返送すれば、手続きは完了します。窓口に行く必要はありません。
国民年金と厚生年金の支払いが重複したら還付される?
国民年金と厚生年金の支払いが重複したら還付されます。
過払い保険料の還付手続きの流れについてお伝えします。
(1)「国民年金保険料過誤納額還付・充当通知書」が届く
就職して1〜2ヶ月たてば、年金事務所から送られてきます。
それでも届かないという場合は、年金事務所での再発行が必要なので、連絡をしてください。
(2)「国民年金保険料還付請求書」に記入して年金事務所に提出
本人の場合は、振込を希望する口座情報を記入するだけです。代理人が行う場合は、いくつかの手順が必要ですが、同封されてくる記入例にしたがってください。
還付請求書に記入後、それを年金事務所に郵送するか、直接持って行ってください。
(3)「国庫金振込通知書」が届く
提出した還付請求書の手続きがスムーズに行われると、「国庫金振込通知書」が郵送されます。
ハガキには、住所・氏名・振込先の金融機関名・金額・支払予定日が書かれています。
(4)払い過ぎた保険料が口座に入金される
実際に入金されるのは、還付請求書を提出してから1〜2ヶ月後になります。時間が空くので、忘れずに確認しましょう。
国民年金と厚生年金の手続き、まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「国民年金と厚生年金は両方払うの?脱退手続きや重複した場合は?」についてご紹介しました。
厚生年金に加入すれば、就職先の会社で国民年金の脱退手続きをしてくれるので、あなたは何もしなくても大丈夫です。
万が一、重複して支払ってしまった場合は、後日送られてくる書類に必ず目を通し、忘れずに提出すれば問題ないでしょう♪
ぜひ参考にしてみてくださいね。